人生100年時代を生き抜くNISAインデックス投資のやり方

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「人生100年時代」と言われる今、60歳を過ぎてから訪れる体力の衰えと、そこから先に続く長い時間をどう乗り切るかは、多くの人にとって他人事ではありません。特に、もともと疲れやすい体質を持つ人にとって、「老後は働いて稼ぐ」「節約して耐える」という一般的な対策は、思っているほど現実的ではないことがあります。この記事では、体力に頼らずに将来へ備える方法として、インデックス投資・ドルコスト平均法・新NISAという仕組みを、できるだけわかりやすく紹介します。投資の知識がまったくない人でも、読み終えたときに「これなら自分にもできそう」と思えるような内容を目指しました。

100歳まで生きるかもしれない時代に、私たちは備えられているか

「人生100年時代」という言葉を、最近よく見かけるようになりました。医療の進歩によって平均寿命が延び、これから生まれる世代、あるいは今を生きる若い世代にとって、100歳まで生きることが「特別なこと」ではなく「普通のこと」になっていくかもしれない、という未来予測がベストセラー本によって広く知られるようになりました。

長く生きられること自体は、喜ばしいことのはずです。ただ、ここで立ち止まって考えたいのは、「長く生きる」ということは「長く生活費が必要になる」ということでもある、という現実です。

多くの人は60歳前後から、体力の衰えを感じ始めます。若い頃のように無理が利かなくなり、疲れが取れにくくなる。もともと「疲れやすい」体質を持つ人であれば、この変化はさらに早く、さらに重くのしかかってくるかもしれません。

そして、そこから100歳までは、計算上40年近くの時間が残されています。この40年をどう乗り切るか。それが、人生100年時代を生きる私たちに突きつけられている、静かで大きな問いです。

疲れやすい人にとって「老後に働く」がどれだけハードルが高いか

老後の生活費が心配なとき、よく聞かれるアドバイスのひとつが「年を取っても少し働けばいい」というものです。実際、健康に自信のある人にとっては、それも一つの現実的な選択肢かもしれません。

ですが、もともと疲れやすい体質を持つ人にとって、これは簡単な話ではありません。若い頃から人より疲れやすく、無理をすると体調を崩しやすかった人が、年齢を重ねてさらに体力が落ちた状態で、新たに働き口を見つけ、慣れない環境で体を動かし続けることがどれほど大変か。これは、健康な人がイメージする「老後の軽い労働」とは、まったく質の違う負担です。

老後の備えを考えるとき、「働けば何とかなる」という前提そのものが、すべての人に当てはまるわけではない、という視点を持っておくことが大切だと思います。

節約は、若くて健康な人にしかできない

老後の生活費を抑える方法としてよく挙げられるのが「節約」です。たとえば、少し遠くのスーパーまで足を延ばして特売品を買う、自炊を頑張って外食を減らす、といった方法です。

しかし、これらの節約方法は、実は「体力があること」を前提にしています。自転車で遠くまで買い物に行くには体力が必要です。毎日きちんと自炊をするにも、買い物・調理・後片付けという一連の作業をこなす体力と気力が必要です。

つまり、節約という行為そのものが、若くて健康な人にしか実践しづらい側面を持っているのです。疲れやすい人、体力に余裕のない人ほど、節約で生活費を切り詰めるという方法に頼りづらく、別の備え方を必要としています。

ここに、お金の「仕組み」で備えるという発想の重要性があります。体力を使わずに、お金そのものに働いてもらう。これが、これから説明するインデックス投資という考え方です。

貯金だけで40年を乗り切れるか、という問い

老後の備えとして、まず思いつくのは「貯金」です。コツコツとお金を貯めておけば、老後はそれを使って生活する。シンプルでわかりやすい方法です。

ただ、60歳から100歳まで、収入がほぼない状態で40年分の生活費を貯金だけでまかなうとなると、相当な金額が必要になります。さらに、貯金には見過ごされがちな弱点があります。それは、お金の価値が時間とともに変わっていく、という点です。

物価が上がれば、同じ金額で買えるものは少なくなっていきます。医療費や介護費は、年齢を重ねるほど増えていく傾向があります。つまり、貯金として「眠らせておくお金」は、何もしなければ実質的な価値が少しずつ目減りしていく可能性があるのです。

この問題に向き合う方法のひとつが、お金に働いてもらう、つまり「投資」という選択肢です。

インデックス投資という選択肢:オルカンとは何か

「投資」と聞くと、難しそう、リスクが高そう、というイメージを持つ人も多いと思います。ですが、インデックス投資は、個別の企業の株を選んで一点集中で賭けるようなものとは、性質がまったく異なります。

インデックス投資の代表例としてよく知られているのが、「オルカン」と呼ばれる全世界株式インデックスファンドです。オルカンは、世界中の企業の株式に、薄く広く分散して投資する仕組みを持つ投資信託です。

特定の一社や一国の業績に賭けるのではなく、世界経済全体の成長に、自分の資産も一緒に乗せていく、という考え方です。一つの企業が不調になっても、世界全体の経済活動がゼロになることは考えにくい、という前提に立った、リスクを抑えるための分散の仕組みだと言えます。

短期トレードとインデックス投資はまったく別物

ここで、はっきりと区別しておきたいことがあります。それは、「短期的な売買で利益を狙うトレード」と、「インデックス投資」は、まったく別の行為だということです。

短期トレードは、価格が短期間でどう動くかを予測し、その差で利益を得ようとする方法です。これは、当てれば大きく勝てる可能性がある一方、当たらなければ大きく失う可能性もある、ギャンブル性の高い行為です。価格の動きを毎日気にし、判断を迫られ続けることは、心理的な負担も大きくなります。もともと疲れやすい人にとっては、なおさら向いていない方法だと言えます。

一方、インデックス投資は、20年、30年という長い時間軸で考える方法です。日々の価格の上下に一喜一憂する必要はなく、むしろ「気にしないこと」が前提になっている投資の仕方です。長期で世界経済全体の成長に資産を乗せていく、という発想であり、短期トレードとは目的も心の使い方もまったく異なります。

疲れやすい人が投資を考えるなら、向き合うべきは短期トレードではなく、長期のインデックス投資である、ということは、はっきりと意識しておきたいポイントです。

ドルコスト平均法という考え方

長期のインデックス投資を実践するときによく使われる方法が、「ドルコスト平均法」です。これは、毎月決まった金額を、決まったタイミングで買い続けるという、シンプルな方法です。

価格が高いときには少ない量を、価格が低いときには多い量を、自動的に買うことになります。結果として、買うタイミングを毎回見極めようとせず、平均的な価格で買い続けることができる、という仕組みです。

「いつ買えばいいのか」を考え続けることは、それ自体が心理的な負担になります。ドルコスト平均法は、「タイミングを当てる」のではなく、「時間を味方につける」という発想です。一度設定すれば、あとは自動的に積み立てが進んでいくため、疲れやすい人にとっても続けやすい方法だと言えます。月に1回、同じ日に毎月積み立てていくイメージです。

新NISA(つみたて投資枠)の基本

ドルコスト平均法でインデックス投資を続けていく際、活用したい制度が「新NISA」です。これは、2024年から始まった制度で、投資で得た利益が非課税になる、という大きなメリットを持っています。

新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」がありますが、ここで取り上げたいのは「つみたて投資枠」です。つみたて投資枠は、長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託を対象とした枠で、非課税で保有できる期間に期限がない、という特徴があります。

毎月決まった金額を設定しておけば、あとは自動的に積み立てが進んでいきます。一度仕組みを作ってしまえば、その後は特別な手間をかけずに継続できる。これは、日々の管理に体力や気力を使いたくない、疲れやすい人にとって、相性のいい制度だと言えます。

新NISAを始めるには、証券会社で口座を開く必要がありますが、ここでもひと工夫があります。店舗を持つ銀行や対面型の証券会社は、人件費や店舗の維持費がかかる分、手数料が高めに設定されている傾向があります。一方、ネット証券は店舗を持たず、人件費を抑えられる分、手数料が低く設定されていることが多く、長期で積み立てを続ける上ではこの差が無視できません。

ネット証券の中でも、楽天証券は楽天カードでの積み立てやポイント連携などがわかりやすく、初めての人でも操作に迷いにくいという特徴があります。もちろん、SBI証券も取扱商品の豊富さやコストの低さで定評があり、どちらを選んでも大きな失敗にはなりにくい選択肢です。どちらか一つに決めきれない場合は、まず「わかりやすさ」を重視するなら楽天証券、「総合力」を重視するならSBI証券、という程度の目安で考えてみるとよいかもしれません。

iDeCoとの違い:なぜつみたて投資枠の方が安心か

老後の資産形成を検討する際、新NISAと並んでよく名前が挙がるのが「iDeCo(個人型確定拠出年金)」です。iDeCoも税制上のメリットが大きい制度ですが、新NISAとは決定的に違う点があります。それは、原則として60歳になるまで、お金を引き出すことができないという点です。

これは、長期で確実に老後資金を確保したい人にとっては利点にもなりますが、見方を変えると、「途中で何が起きても、自分の意思では引き出せない」という制約でもあります。

体調が急に悪化した、まとまった出費が必要になった、生活環境が大きく変わった。こうした予測できない出来事が起きたとき、いつでも引き出せる新NISAのつみたて投資枠であれば、必要なときに資産を使うという選択ができます。

どちらが優れているという単純な話ではありませんが、不安を抱えやすい人、将来に何が起きるかわからないことへの心配が大きい人にとっては、「いつでも引き出せる」という柔軟性が、安心材料になるのではないかと思います。

4%ルールという目安:資産があればどうなるか

長期投資の世界では、「4%ルール」という考え方が知られています。これは、資産の4%ずつを毎年生活費として取り崩していけば、長期的に資産が大きく減らずに済む可能性が高い、という経験則です。

たとえば、資産が5,000万円あれば、その4%は年間200万円です。月あたり約16〜17万円という計算になります。これだけの金額を、資産を大きく減らさずに毎年取り崩せる可能性がある、という考え方です。また増える可能性が高いからです。

ただし、ここで必ず断っておきたいことがあります。4%ルールは、あくまで過去の市場データに基づいた経験則であり、将来の市場がまったく同じように動く保証はありません。取り崩しを始めた直後に市場が大きく下落した場合など、想定通りにいかないケースも研究で指摘されています。

「絶対に安心」という考え方ではなく、「一つの目安、一つの考え方として知っておく」というスタンスで受け止めることが大切です。それでも、何の指標もなく老後資金を考えるよりは、こうした目安を知っておくことで、自分なりの計画を立てやすくなるはずです。

「今からでは遅い」と思った人へ

ここまで読んで、「もっと早く知っていればよかった」「自分はもう若くないから遅い」と感じた人もいるかもしれません。

そう感じる気持ちは、とても自然なことだと思います。ただ、資産形成において「遅すぎる」ということは、実はそれほど多くありません。少額からでも、つみたて投資枠を使って積み立てを始めることはできます。たとえ40代、50代からのスタートであっても、10年、15年という時間を味方にできる可能性は残っています。

また、すべての人が大きな資産を形成できるわけではない、という現実も、正直に受け止める必要があります。体調や家庭の事情、収入の状況など、人それぞれに事情があり、思うように資産形成ができなかった人も少なくないはずです。

そうした人にとって大切なのは、「資産形成ができなかった自分を責める」ことではありません。今の自分の状況を正しく知り、今できる選択肢を一つずつ確認していくことです。資産形成がうまくいかなかったとしても、生活を支えるための公的な制度や仕組みは他にも存在します。完璧な備えができなかったとしても、知っておくこと自体が、次の一歩につながります。

まとめ:疲れやすい自分を守るための、もう一つの体力

体力に自信がない人にとって、老後を「体を動かして乗り切る」という方法には限界があります。節約のための行動にも体力が必要であり、老後に働き続けることにも限界があります。

だからこそ、体力で備えられない分を、お金の知識と仕組みで備えるという発想が必要になります。インデックス投資、ドルコスト平均法、新NISAのつみたて投資枠。これらは、一度仕組みを作れば、あとは時間が代わりに働いてくれる方法です。

疲れやすい自分を守るためのもう一つの体力、それは、お金に関する正しい知識を持ち、無理のない仕組みを早めに作っておくことなのかもしれません。疲れやすくても、自分らしく生きていくために、今日知ったことを、小さな一歩につなげてみてください。

FP3級は投資のことも含めて、家計管理の基礎が学べます。いざという時に慌てるより、知識があると安心です。

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