自己啓発本やSNS、YouTubeには情報があふれています。今の時代、個別のテクニックはたいてい無料で手に入ります。それでも成果が出ない人が多いのは、テクニックが足りないからではなく、自分が今どの段階にいるのかが分かっていないからだと思います。
テクニックは無料で手に入る時代
自己肯定感の高め方も、目標から逆算した優先順位のつけ方も、コントロールできないことを手放す考え方も、ネガティブな感情を否定せずに希望を持って進む方法も、探せばSNSやYouTubeで無料で解説されています。本を買わなくても知識自体は手に入ります。問題は情報の量ではなく、今の自分にどの情報が必要なのかを判断する地図がないことです。
土台は生活習慣
自衛隊出身の方が書いた自己啓発書に、テクニック以前に生活習慣を整えて元気になることから始めよう、という本があります。栄養、睡眠、運動といった基礎的なことをクリアしてから、初めてテクニック系の本が機能するという考え方です。これは理にかなっていて、体力や気力が整っていない状態でマインドセットの話を読んでも、実践する余力がありません。
さらにその下の層として、そもそも文章を読んで理解する基礎学力がないと、本を読むこと自体が難しいという問題もあります。これは生活習慣よりもさらに手前にある前提条件です。
その上に乗るマインドの層
生活習慣という土台の上に、自己肯定感、ポジティブさ、行動すること、目標から逆算して優先順位をつけること、コントロールできないことは気にしないこと、ネガティブな感情を否定せず希望も一緒に持って前に進むこと、といったマインド系のテーマが乗ります。これらは土台なしでは長続きしません。
ステージが変わると必要な知識も変わる
マインドを整えて行動を続けていると、やがてステージが変わります。すると、最初は居心地の悪さを感じたり、必要な知識がマインドの話からよりビジネス的な実務知識に移っていったり、家庭を持つことで時間配分の優先順位そのものが変わったりします。お金の知識や時間管理のテクニックも、このさらに上の層に乗るものです。
頑張り終えた先にあるマインド
段階を上り続けた先に、また別のマインドが必要になる時期が来ます。「頑張らなくてもいいんだよ」系の自己啓発書がそれで、ベースには仏教由来の哲学やマインドフルネス、あるいは道教由来のタオイズムがあることが多いです。
これは、若いうちにとにかく収入を上げたり、結婚のために努力したり、夢を追いかけたりして、ひと段落したとき、つまり一人の人間としてある程度完成してきたときに役立つマインドです。同じ生活の繰り返しを退屈せずに味わえること、今あるものに感謝できること、人と比べないこと。これができないと、会社でどれだけ偉かったかに執着したまま定年を迎え、老人ホームに入っても偉そうにふるまい、結局孤独になっていく元エリートサラリーマンのようになってしまいます。会社での肩書きなど、歳を重ねるほど周りはどうでもよくなっていくものです。
つまりこのマインドは、若いうちに必要な「上に這い上がる」マインドとは逆方向で、段階を上り切った先、人生の後半にさしかかってから必要になってくるものです。
女性の場合はもう一軸ある
ここまでは段階として縦に積み上がる話でしたが、女性の場合はこれとは別に、横に切り替える軸があります。「受け取る許可を自分に出す」といった系統の、いわゆるお姫様マインドを磨く本です。自力で努力して獲得しにいくビジネスマインドとは逆で、受け身であることそのものが機能する考え方です。恋愛や結婚においては、これが大事なテクニックになります。
これは段階ではありません。ビジネスでの這い上がりの順番とは別に存在する、プライベート用の考え方です。女性はビジネスの場面と恋愛・結婚の場面とで、求められるマインドが逆向きになることがあります。だからこそ、段階を上るずっと前、早いうちからこの考え方の存在を知っておいて、場面によって切り替えられるようにしておいたほうが得だと思います。
マップが必要な理由
自己啓発本を読むときの一番の問題は、初心者にはどの段階の本を読んだらいいか分からないことです。生活習慣もマインドも実務知識も、それぞれ有効な考え方ですが、今の自分に必要なのはどれかを間違えると、正しいことを言っている本を読んでも響きません。情報がすでに無料で手に入る時代だからこそ、情報そのものより「今の自分はどの段階にいるか」を診断する地図の価値が上がっています。
まとめ
段階を大まかに並べると、基礎学力、生活習慣、マインド、ステージ移動特有の課題、実務知識という順になります。どのテクニックも正しいのに効かない、と感じたら、テクニックを疑う前に、自分が今どの段階にいるかを確認してみる価値があります。
自己啓発VS社会構造批判の記事です。


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