アイデアの出し方フレームワーク|集中できない日はアイデアが湧く日

働く

「ネタが思いつかない。自分には発想力がないのかもしれない」

ブログ、YouTube、Kindle出版、同人活動——コンテンツで稼ごうとする人が、遅かれ早かれぶつかる壁が「ネタ切れ」です。机に向かって、うんうん唸って、何も出てこなくて、自己嫌悪して終わる。

私も最近まで、アイデアは「頑張って考えて出すもの」だと思っていました。

でも、あるとき気づいたんです。私のアイデアは、頑張って考えた日には出ていない。集中できなくて、ぼーっとしていた日の夕方に、まとめて降ってきている。

実際、ブログ記事のアイデアが1日で3本も湧いた日がありました。その日の私は、朝から全然集中できず、YouTubeを見たり、考え事をしたりして、「今日はダメな日だ」と思っていたんです。ところが夕方から、記事になるアイデアが立て続けに浮かんで、数日で3本の記事として公開まで行けました。

偶然ではありませんでした。調べてみると、これは孵化効果(インキュベーション)という、ちゃんと名前のついた現象だったんです。

アイデアは「絞り出す」ものではなく「孵化する」もの

心理学では、創造のプロセスは4つの段階で説明されます。

  1. 準備:情報を集め、必死で考える段階
  2. 孵化:意識的に考えるのをやめて、寝かせる段階
  3. ひらめき:ふとした瞬間に、答えが浮かび上がる段階
  4. 検証:浮かんだアイデアを、使えるか確かめる段階

ポイントは2番目です。アイデアは、考えるのをやめている間に育つ。

ぼーっとしているとき、脳は休んでいません。むしろ、意識的な集中を解いたときの脳は、遠い記憶同士を勝手に結びつけるモードに切り替わることが分かっています。散歩中やお風呂で名案が浮かぶのは、サボりの偶然ではなく、脳の仕様なんです。

つまり、机の前で唸っても出てこないのは、発想力が無いからではありません。孵化の時間を与えていないからです。卵を温めもせずに「なぜ孵らない」と怒っているようなものなんですね。

ただし、インプットなしでは孵化しない

ここで大事な注意があります。ぼーっとしてさえいれば、アイデアが湧くわけではありません。

孵化効果は、準備(インプットと格闘)があって初めて働きます。卵のない巣をいくら温めても、何も生まれないのと同じです。

私の「3本降ってきた日」の前日には、ブログの検索データの分析と、記事の改善作業に集中で取り組んだ日がありました。頭に材料を詰め込んで、必死で考えて、それでも結論の出ないものを抱えたまま寝た。翌日のぼーっとした時間に、その材料同士が頭の中で勝手に繋がって、夕方に形になって出てきた——そういう順序です。

だから、正しいサイクルはこうなります。

インプットと格闘の日(窯に材料を詰める)→ ぼーっとする日(焼成)→ 収穫(アイデアをメモに捕まえる)

「集中できない日」を生産システムに組み込む

このサイクルが分かると、働き方が変わります。

私は疲れやすい体質で、毎日フル稼働することができません。以前は、集中できない日を「無駄にしてしまった日」と数えて、落ち込んでいました。

今は違います。集中できない日は、孵化の日。ガンガン動ける日に執筆や分析(材料の投入)をして、動けない日は散歩や家事をしながら、頭が勝手に材料を繋ぐのに任せる。どちらも生産工程の一部なので、罪悪感の出る幕がありません。

コツは2つだけです。


コツ①:メモ帳を常備して、降ってきた瞬間に捕まえる

孵化したアイデアは、ふわっと浮かんで、ふわっと消えます。浮かんだ瞬間に一行メモする——これだけは怠らないでください。仮タイトルと切り口を一行書いておけば、後日それを見て続きを思い出せます。私はこの方法で、アイデアのストックが尽きなくなりました。


コツ②:「今日は孵化の日」と宣言してしまう

集中できない日に、無理に机に向かって消耗するのが一番もったいないパターンです。午前中に「今日はダメだ」と分かったら、その日を孵化の日に切り替えて、罪悪感なしでぼーっとする。皮肉なことに、そう割り切った日ほど、夕方に何かが降ってきます。


この働き方の詳細は、こちらの記事にも書いています。

疲れやすい人ほど、実は有利かもしれない

最後に、少し逆説的な話を。

体力があって毎日集中できる人は、孵化の時間が生活に組み込まれにくいんです。常に何かを詰め込み、常にアウトプットしているので、脳が材料を繋ぐ暇がない。

疲れやすい人は、強制的に休む日が発生します。それを「損」と数えるか、「孵化装置」として使うかで、創作の生産性はまるで変わってくる。体調の波は、使い方次第で、アイデアの波に変換できる。

ネタ切れに悩むクリエイターに必要なのは、もっと頑張ることではなく、インプットと孵化のリズムを設計することです。今日集中できなかったあなたは、サボったのではありません。卵を温めていたんです。

明日か明後日、何かが降ってきたら、逃さずメモしてください。それが、あなたの次の作品です。

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